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ニュースリリース
首都直下地震の被害想定と対策について
2020年09月01日
中央防災会議防災対策実行会議の下、首都直下地震対策検討ワーキンググループは、最新の科学的知見に基づく地震モデルの検討結果を踏まえ、これまで首都直下地震対策の対象としてこなかった相模トラフ沿いの大規模地震も含め、様々な地震を検討対象としました。
また、これまでの被害想定のように単に人的・物的被害等の定量的な想定をするだけでなく、防災減災対策の検討に活かすことに主眼を置き、それぞれの被害が発生した場合の被災地の状況について、時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、対策実施の困難性も含めて、より現実的な想定を行いました。尚、防災・減災対策の対象とする地震は、被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震(Mw7.3)を防災対策の主眼としています。
【 被害想定(人的・物的被害)の概要 】
1.地震の揺れによる被害
揺れによる全壊家屋:約175000棟 建物倒壊による死者:最大 約11000人
揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72000人
2.市街地火災の多発と延焼
焼失: 最大 約412000棟、建物倒壊等と合わせ最大 約610000棟
死者: 最大 約 16000人、建物倒壊等と合わせ最大 約 23000人
3.インフラ・ライフライン等の被害と様相
電力:発災直後は約5割の地域で停電。1週間以上不安定な状況が続く。
通信:固定電話・携帯電話とも、輻輳のため、9割の通話規制が1日以上継続。メールは遅配が生じる可能性。
上下水道:都区部で約5割が断水。約1割で下水道の使用ができない。
交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1か月程度、開通までに時間を要する可能性。主要路線の道路啓開には、少なくとも1〜2日を要し、その後、緊急交通路として使用。都区部の一般道はガレキによる狭小、放置車両等の発生で深刻な交通麻痺が発生。
港湾:非耐震岸壁では、多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数か月を要する。
燃料:油槽所・製油所において備蓄はあるものの、タンクローリーの不足、深刻な交通渋滞等により、非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン等の消費者への供給が困難となる。
4.経済的被害
建物等の直接被害:約47兆円
生産・サービス低下の被害:約48兆円 合計:約95兆円
【 対策の方向性 】
1.事前防災
■首都中枢機能の継続性の確保
政府全体としての業務継続体制の構築、情報収集・集約、発信体制の強化、金融決済機能等の継続性の確保、企業の事業継続のための備え等。
■建築物、施設の耐震化等の推進
M7クラスの地震は、どこが震源となるかはわからないため、首都圏全般での耐震化を推進する。
■火災対策
出火防止対策として、感震ブレーカー等の普及を促進する。
■オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた対応。
外国人観光客を迎えるにあたり、様々な手段による防災情報の伝達等について早急に対策を講じる。
2.発災時の対応への備え
■発災直後の対応(概ね10時間)
国の存亡に係る初動災害緊急事態の布告、災害応急対策実施体制の構築、交通制御、企業の事業継続性の確保等。
■発災からの初期対応(概ね100時間)命を救う
救命救助活動、火災対策(初期消火、火災情報の発信)治安対策等。
■初期対応以降、生存者の生活確保と復旧
被災者、災害時要配慮者への対応、避難所不足等の対策、計画停電の混乱の回避、物流機能低下対策等。
【 首都で生活をする各人の取組 】
■地震による揺れから身を守る
耐震化、家具固定、「最低3日間、推奨1週間」の水・食料等の備蓄等。
■遅れて発生する市街地火災からの適切な避難
火災を認知してから避難行動を開始するのではなく「火を見ず早めの避難」を心がる。
■地震発生後の自動車利用の自粛への理解と協力。
深刻な交通マヒに対する自動車利用の自粛の啓発。
■『通勤困難』を想定した企業活動等の回復・維持
交通インフラの損傷による「通勤困難」が一定期間発生するおそれのあることを想定する。
≪ 中央防災会議 ≫
会長:内閣総理大臣、委員(災害対策基本法第12条) 防災担当大臣、防災担当大臣以外の国務大臣。指定公共機関の代表者及び学識経験のある者の内から、内閣総理大臣が任命する者。災害対策基本法施行令第3条によれば委員の定数は26人(2015年5月の施行令改正により25人から1人増員)。 但し、施行令附則により、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間については、定数は27人、復興庁が廃止されるまでの間は、定数28人。 全ての国務大臣が委員に任命されている。その他に日本銀行総裁、全国知事会危機管理・防災特別委員会委員長、被災者健康支援連絡協議会会長(日本医師会会長)等、計28名(会長含まない)(2020年2月1日現在)。
また、これまでの被害想定のように単に人的・物的被害等の定量的な想定をするだけでなく、防災減災対策の検討に活かすことに主眼を置き、それぞれの被害が発生した場合の被災地の状況について、時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、対策実施の困難性も含めて、より現実的な想定を行いました。尚、防災・減災対策の対象とする地震は、被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震(Mw7.3)を防災対策の主眼としています。
【 被害想定(人的・物的被害)の概要 】
1.地震の揺れによる被害
揺れによる全壊家屋:約175000棟 建物倒壊による死者:最大 約11000人
揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72000人
2.市街地火災の多発と延焼
焼失: 最大 約412000棟、建物倒壊等と合わせ最大 約610000棟
死者: 最大 約 16000人、建物倒壊等と合わせ最大 約 23000人
3.インフラ・ライフライン等の被害と様相
電力:発災直後は約5割の地域で停電。1週間以上不安定な状況が続く。
通信:固定電話・携帯電話とも、輻輳のため、9割の通話規制が1日以上継続。メールは遅配が生じる可能性。
上下水道:都区部で約5割が断水。約1割で下水道の使用ができない。
交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1か月程度、開通までに時間を要する可能性。主要路線の道路啓開には、少なくとも1〜2日を要し、その後、緊急交通路として使用。都区部の一般道はガレキによる狭小、放置車両等の発生で深刻な交通麻痺が発生。
港湾:非耐震岸壁では、多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数か月を要する。
燃料:油槽所・製油所において備蓄はあるものの、タンクローリーの不足、深刻な交通渋滞等により、非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン等の消費者への供給が困難となる。
4.経済的被害
建物等の直接被害:約47兆円
生産・サービス低下の被害:約48兆円 合計:約95兆円
【 対策の方向性 】
1.事前防災
■首都中枢機能の継続性の確保
政府全体としての業務継続体制の構築、情報収集・集約、発信体制の強化、金融決済機能等の継続性の確保、企業の事業継続のための備え等。
■建築物、施設の耐震化等の推進
M7クラスの地震は、どこが震源となるかはわからないため、首都圏全般での耐震化を推進する。
■火災対策
出火防止対策として、感震ブレーカー等の普及を促進する。
■オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた対応。
外国人観光客を迎えるにあたり、様々な手段による防災情報の伝達等について早急に対策を講じる。
2.発災時の対応への備え
■発災直後の対応(概ね10時間)
国の存亡に係る初動災害緊急事態の布告、災害応急対策実施体制の構築、交通制御、企業の事業継続性の確保等。
■発災からの初期対応(概ね100時間)命を救う
救命救助活動、火災対策(初期消火、火災情報の発信)治安対策等。
■初期対応以降、生存者の生活確保と復旧
被災者、災害時要配慮者への対応、避難所不足等の対策、計画停電の混乱の回避、物流機能低下対策等。
【 首都で生活をする各人の取組 】
■地震による揺れから身を守る
耐震化、家具固定、「最低3日間、推奨1週間」の水・食料等の備蓄等。
■遅れて発生する市街地火災からの適切な避難
火災を認知してから避難行動を開始するのではなく「火を見ず早めの避難」を心がる。
■地震発生後の自動車利用の自粛への理解と協力。
深刻な交通マヒに対する自動車利用の自粛の啓発。
■『通勤困難』を想定した企業活動等の回復・維持
交通インフラの損傷による「通勤困難」が一定期間発生するおそれのあることを想定する。
≪ 中央防災会議 ≫
会長:内閣総理大臣、委員(災害対策基本法第12条) 防災担当大臣、防災担当大臣以外の国務大臣。指定公共機関の代表者及び学識経験のある者の内から、内閣総理大臣が任命する者。災害対策基本法施行令第3条によれば委員の定数は26人(2015年5月の施行令改正により25人から1人増員)。 但し、施行令附則により、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間については、定数は27人、復興庁が廃止されるまでの間は、定数28人。 全ての国務大臣が委員に任命されている。その他に日本銀行総裁、全国知事会危機管理・防災特別委員会委員長、被災者健康支援連絡協議会会長(日本医師会会長)等、計28名(会長含まない)(2020年2月1日現在)。