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ニュースリリース

世界気象の日

2021年03月23日
海洋と大気は、地球システムを構成する二大要素です。大気と海洋との間には、絶妙なバランスと、切っても切れないつながりがあり、地球上の天気や気候は、両者の関係によって決まります。気候変動は、この繊細な均衡を乱しているのです。

化石燃料の燃焼から発生する二酸化炭素によって、海水温は記録的温度にまで上昇し、海の酸性化が進み、海中の酸素量がますます減少しています。こうした変化が、海洋生態系に悪影響を及ぼしており、海洋に依存する何億もの人々を支えている海洋の機能が低下しています。氷河や氷冠の融解によって海面上昇が加速しており、沿岸の巨大都市や小島嶼国を脅かしています。

また、氷河などの融解は、大きな海流に影響を与え、気候崩壊を一層深刻化させるおそれがあることが科学的に明らかになっています。科学的研究やよりよい海洋観測を通じて、現在起こっている変化への理解は深まりつつあります。しかし、「国連持続可能な開発のための海洋科学の10年」のスタートに当たり、依然として不明点が多く残されています。

今年の「世界気象の日」が、「海洋、私たちの気候と天気」をテーマとする理由はここにあります。私たちの地球を理解し、保護して初めて、私たちは、人類のための持続可能な未来を確保することができるのです。


(アントニオ・グテーレス 国連事務総長メッセージより)