- ホーム >
- ニュースリリース
ニュースリリース
IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書(自然科学的根拠)
2021年08月20日
本日発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第1作業部会報告書は、人類に対する厳戒警報です。警鐘が大音量で鳴り響き、その証拠に反論の余地はありません。化石燃料の燃焼と森林破壊から発生する温室効果ガスの排出が私たちの地球を窒息させ、何十億もの人々を差し迫った危険にさらしています。地球温暖化が地球のあらゆる地域に影響を及ぼし、変化の多くは不可逆的になりつつあります。
国際的に合意された1.5℃という閾値(いきち)が危険なほど迫っています。
私たちは、近いうちに1.5℃に到達するという差し迫ったリスクにさらされています。この閾値を超えることを防ぐ唯一の手段は、取り組みを緊急に強化し、最も野心的な道筋をとることです。
私たちは今、1.5℃を維持する決定的な行動を取らなければなりません。
私たちはすでに1.2℃に到達し、気温はさらに上昇しています。温暖化はここ数十年加速してきました。気温のあらゆる小さな変化が重要な意味を持ちます。温室効果ガスの濃度は史上最高の水準に達しています。異常気象と気候関連災害は頻度も強度も増しています。今年グラスゴーで開催される国連気候会議(COP26)が非常に重要な理由はここにあります。
私たちの社会が存続できるかどうかは、政府や企業、市民社会の指導者たちによる気温上昇を1.5℃に抑える政策や行動、投資への団結した支持にかかっています。私たちは、人類全体、特に今日の気候緊急事態に対する責任が最も小さいにもかかわらず最も深刻な打撃を受けている、最も貧しく最も脆弱な立場に置かれたコミュニティーと国々のためにこれを果たす義務があります。
解決策は明確です。私たちが連帯し、勇気を持ってこの危機に対応すれば、すべての人にとって包摂的で環境に配慮した経済、繁栄、大気の浄化と健康の増進が可能です。すべての国々、特にG20とその他の主要排出国が排出量正味ゼロ連合に加わり、グラスゴーで開催される国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の前に、信頼できる具体的かつ強化された「自国が決定する貢献(NDC)」と政策により自国のコミットメントを強化する必要があります。
私たちは、エネルギーに関する行動を直ちに必要としています。今、炭素汚染を大幅に削減しなければ、1.5℃目標はすぐに手の届かないものとなります。本報告書は、石炭と化石燃料が地球を破壊する前に、それらの終焉を告げる鐘とならなければなりません。2021年以降、石炭火力発電所は新設されるべきではありません。経済協力開発機構(OECD)加盟国は2030年までに、他のすべての国々も2040年までに、既存の石炭火力発電所を段階的に廃止しなければなりません。各国はまた、化石燃料の新たな探査と生産をすべて中止し、化石燃料への補助金を再生可能エネルギーに振り替えるべきです。今世紀半ばまでに排出量正味ゼロを達成するという道筋を維持するには、太陽光と風力による発電量を2030年までに4倍に、再生可能エネルギーへの投資を3倍に、それぞれ増やすべきです。
気候変動の影響が深刻化することに疑いの余地はありません。気候危機の最前線にいる人々の生命と生活を守るという明確な道義的、経済的な責務があります。適応とレジリエンスへのファイナンスが気候変動対策に占める大きな役割を見過ごしたままではなりません。適応には、気候関連支援のわずか21パーセントしか割り当てられていません。私は改めてドナー国と多国間開発銀行に対し、公的気候ファイナンスの少なくとも50パーセントを人々、特に女性と脆弱な立場に置かれた人々を守ることに割り当てるよう呼びかけます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの復興への支出は、パリ協定の目標と整合させなければなりません。そして、開発途上国における緩和と適応を支援するために毎年1,000億ドルを動員するという10年前の約束を果たさなければなりません。
気候危機は、投資管理者や資産保有者、企業に巨大なファイナンスのリスクをもたらします。これらのリスクは測定し、開示し、緩和されるべきです。私は、経営者たちに国際的な下限炭素価格を支持し、組織のポートフォリオをパリ協定と整合させることを求めます。排出量正味ゼロのグローバル経済への公正かつ迅速な変革を確実にするために、公共セクターと民間セクターは協力しなければなりません。
今、私たちが力を合わせれば、気候変動による惨禍を回避することができます。しかし、本日発表された報告書で明らかになったとおり、先送りする余裕も、弁解する余地もありません。私は、政府指導者たちとあらゆるステークホルダーがCOP26を確実に成功させることを期待しています。
(アントニオ・グテーレス 国連事務総長声明)
国際的に合意された1.5℃という閾値(いきち)が危険なほど迫っています。
私たちは、近いうちに1.5℃に到達するという差し迫ったリスクにさらされています。この閾値を超えることを防ぐ唯一の手段は、取り組みを緊急に強化し、最も野心的な道筋をとることです。
私たちは今、1.5℃を維持する決定的な行動を取らなければなりません。
私たちはすでに1.2℃に到達し、気温はさらに上昇しています。温暖化はここ数十年加速してきました。気温のあらゆる小さな変化が重要な意味を持ちます。温室効果ガスの濃度は史上最高の水準に達しています。異常気象と気候関連災害は頻度も強度も増しています。今年グラスゴーで開催される国連気候会議(COP26)が非常に重要な理由はここにあります。
私たちの社会が存続できるかどうかは、政府や企業、市民社会の指導者たちによる気温上昇を1.5℃に抑える政策や行動、投資への団結した支持にかかっています。私たちは、人類全体、特に今日の気候緊急事態に対する責任が最も小さいにもかかわらず最も深刻な打撃を受けている、最も貧しく最も脆弱な立場に置かれたコミュニティーと国々のためにこれを果たす義務があります。
解決策は明確です。私たちが連帯し、勇気を持ってこの危機に対応すれば、すべての人にとって包摂的で環境に配慮した経済、繁栄、大気の浄化と健康の増進が可能です。すべての国々、特にG20とその他の主要排出国が排出量正味ゼロ連合に加わり、グラスゴーで開催される国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の前に、信頼できる具体的かつ強化された「自国が決定する貢献(NDC)」と政策により自国のコミットメントを強化する必要があります。
私たちは、エネルギーに関する行動を直ちに必要としています。今、炭素汚染を大幅に削減しなければ、1.5℃目標はすぐに手の届かないものとなります。本報告書は、石炭と化石燃料が地球を破壊する前に、それらの終焉を告げる鐘とならなければなりません。2021年以降、石炭火力発電所は新設されるべきではありません。経済協力開発機構(OECD)加盟国は2030年までに、他のすべての国々も2040年までに、既存の石炭火力発電所を段階的に廃止しなければなりません。各国はまた、化石燃料の新たな探査と生産をすべて中止し、化石燃料への補助金を再生可能エネルギーに振り替えるべきです。今世紀半ばまでに排出量正味ゼロを達成するという道筋を維持するには、太陽光と風力による発電量を2030年までに4倍に、再生可能エネルギーへの投資を3倍に、それぞれ増やすべきです。
気候変動の影響が深刻化することに疑いの余地はありません。気候危機の最前線にいる人々の生命と生活を守るという明確な道義的、経済的な責務があります。適応とレジリエンスへのファイナンスが気候変動対策に占める大きな役割を見過ごしたままではなりません。適応には、気候関連支援のわずか21パーセントしか割り当てられていません。私は改めてドナー国と多国間開発銀行に対し、公的気候ファイナンスの少なくとも50パーセントを人々、特に女性と脆弱な立場に置かれた人々を守ることに割り当てるよう呼びかけます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの復興への支出は、パリ協定の目標と整合させなければなりません。そして、開発途上国における緩和と適応を支援するために毎年1,000億ドルを動員するという10年前の約束を果たさなければなりません。
気候危機は、投資管理者や資産保有者、企業に巨大なファイナンスのリスクをもたらします。これらのリスクは測定し、開示し、緩和されるべきです。私は、経営者たちに国際的な下限炭素価格を支持し、組織のポートフォリオをパリ協定と整合させることを求めます。排出量正味ゼロのグローバル経済への公正かつ迅速な変革を確実にするために、公共セクターと民間セクターは協力しなければなりません。
今、私たちが力を合わせれば、気候変動による惨禍を回避することができます。しかし、本日発表された報告書で明らかになったとおり、先送りする余裕も、弁解する余地もありません。私は、政府指導者たちとあらゆるステークホルダーがCOP26を確実に成功させることを期待しています。
(アントニオ・グテーレス 国連事務総長声明)