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ニュースリリース

首都直下地震等による東京の被害想定について

2022年05月25日
東京都の防災会議地震部会は、最も被害の大きい「都心南部直下地震」は23区の約6割で震度6強以上に達し、死者は最大6148人、帰宅困難者は452万5949人と想定。タワーマンション増加など、社会インフラの変化に合わせた被害イメージも示しました。都が想定を公表するのは東日本大震災翌年の2012年以来、10年ぶり。

耐震・免震構造の建物の増加などで前回想定より被害規模は小さくなるとして、1981年基準の「新耐震基準」100%を達成した場合で揺れによる死者数は約6割減る見通し。想定上の最大数値は前回想定と比べて死者が3400人、帰宅困難者は64万人減少するとみられています。通電の復旧時などに火災を防ぐ対策を徹底すれば、火災による死者数は約7割減らす効果が見込まれています。


【 東京の被害想定(都心南部直下地震) 】
建物被害   約 19万4400棟
揺れ     約 8万2200棟
火災     約 11万2200棟
死者     約 6150人
揺れ     約 3700人
火災     約 2500人
負傷者    約 9万3400人
揺れ     約 8万3500人
火災     約 9900人
避難者    約 299万人
帰宅困難者  約 453万人

【 直下型地震(マグニチュード7程度)、海溝型地震(M8〜9程度) 】
都内で最大の被害が想定される23区を震源とする都心南部直下地震が冬の夕方、風速8メートルの状況下で起きた場合の死者は3600人が地震の揺れ、2400人は火災が原因。建物被害が大きい足立区の死者が795人と都内の市区町村別で最多となる可能性。

【 建物被害の見通し 】
19万4000棟。9万3000人とみる負傷者のうち、1万3000人が重傷者。帰宅困難者が最大となるのは発災が昼の場合。高齢化や遠距離通勤の減少などを背景に人数は前回想定(516万人)を下回る。避難者は299万人(前回は338万人)と想定。

【 津波被害の見直し 】
東京23区で津波が最大となるのは海溝型地震、高さは最大3メートル弱。河川敷などの浸水にとどまり住宅地への被害は見込まれない。今後発生が懸念されている「南海トラフ巨大地震」は、都内の震度はほぼ5強以下で、揺れによる被害も限定的。

【 発災直後から1カ月後 】
避難生活の長期化などの影響をまとめた「災害シナリオ」を初提示。たとえばスマートフォンのバッテリー切れや通信の集中で安否確認や一時避難が困難、高層マンションの増加でエレベーターやトイレ利用の停止が長期化したりするケースを想定。

【 都心南部直下地震の際に停止するエレベーター 】
台数は2万2000台超と前回想定の3倍に拡大する見通し。地震が夏場に発生した場合、空調が停止し体調が悪化するなどのリスク。


≪ 東京都防災会議 ≫
部会長:平田直(東京大学名誉教授)。災害対策基本法第14条及び東京都防災会議条例に基づき設置される知事の附属機関。知事を会長とし、委員:指定地方行政機関、幹事:指定公共機関、指定地方公共機関、都及び区市町村等の職員もしくは代表で構成されており、東京都地域防災計画の作成(修正)及びその実施の推進等を所掌している。