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ニュースリリース

世界環境デー

2022年06月05日
国連が世界環境デーを制定した目的は、地球規模の環境や生態系の破壊・喪失を食い止め、世界の人々に環境保全・保護の重要性を認識させ、その啓発を図るためです。英語表記は「World Environment Day」になります。

6月5日の世界環境デーにあわせて、地球の環境を守るために設立された「UNEP(国連環境開発計画)」が、毎年異なるテーマを発表。世界が抱える環境問題への対策や解決に取り組んでいます。1972年12月15日、国連総会で6月5日を世界環境デーとすることが決まりました。これは、日本とセネガルの共同提案により、採択されたものです。UNEPも、この国連総会で決議・発足しています。

世界環境デーの制定を皮切りとして、1983年には、地球環境保全の戦略を審議する「WCED(環境と開発に関する世界委員会)」が設立。さらに、1992年の「国連環境開発会議(地球サミット)」や2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議(リオ+10)」、2012年の「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」など、現在に至るまで、環境問題に関するさまざまな国際会議が開催されています。

1972年6月5日〜6月16日、スウェーデンのストックホルムで開催された「国連人間環境会議」が世界環境デーが生まれるきっかけとなりました。同会議には、世界113ヶ国が参加し、環境問題をテーマとした初めての世界的なハイレベル政府間会合が行われました。この時に採択された共通見解7項の前文と共通の信念26原則からなる宣言が「人間環境宣言(ストックホルム宣言)」です。国際環境デーは、この国連人間環境会議を記念して制定されました。

世界環境デーでは、UNEP(国連環境開発計画)が記念式典を開催するホスト国を決め、テーマを発表しています。地球上のさまざまな環境の重要性を訴え、その理解を深めるため、毎年、その内容は異なっています。2022年のテーマは「Only One Earth」“かけがえのない地球”です。自然と調和して持続可能な生活を送る必要性と、政策と私たちの選択を通じてより環境に優しいライフスタイルに移行する可能性に焦点が当てられます。

過去3年、人類が取り組むべき地球規模の環境問題がテーマとして掲げられています。

2021年のテーマは「生態系の回復(Ecosystem recovery)」です。UNEPは、地球上のさまざまな生態系が破壊され、本来の役割を発揮できないことに警鐘を鳴らしました。2021年のホスト国は、パキスタンでした。

2020年のテーマは「自然のための時(Time for Nature)」です。生物多様性に焦点があてられ、人類と自然の正しい調和がテーマとなりました。世界の人口が増加傾向をたどる反面、生物や森林、土地の破壊や喪失は進む一方です。2020年のホスト国は、コロンビアでした。

2019年のテーマは「大気汚染をなくそう(Beat Air Pollution)」です。世界では60億を超える人が、健康的に有害で、汚染された空気を吸っていると考えられています。その1/3は未来を支える子どもたちであり、この重大な問題に焦点を当てることから大気汚染がテーマになりました。2019年のホスト国は、中国でした。

UNEP(国連環境開発計画)が発表したテーマに沿って、世界中では、環境問題に対処するためのさまざまな取り組みが行われています。2022年は、1972年の国連人間環境会議(ストックホルム会議)から50年目にあたり、ホスト国スウェーデンは50周年を記念し、6月2日と3日にハイレベル会議「Stockholm+50」を主催します。これに先駆けて4月25日に在日スウェーデン大使館オーディトリアムおよび展示ホールにおいて、プレ・ストックホルム+50ユース会議が開催されています。

過去3年の間におけるUNEPやホスト国がイニシアチブをとり、世界的な会議やイベント、呼びかけが行われてきました。

2021年の世界的な取り組みは「国連生態系回復の10年(2021〜2030年)」が正式にスタートする年にあたりました。人類と自然の関係を再調整し、世界が一丸となって、生態系の回復、気候変動の対処、絶滅危惧種の保護、食糧や水の安全保障などに取り組みました。

2020年の世界的な取り組みは「新型コロナウイルス感染症」が世界的な規模で拡大した2020年。UNEPは「世界がひとつになり、生態系保全の行動を取るように」と呼びかけました。記念式典は、ホスト国のコロンビアからストリーミング配信。その他、世界中の政府、民間部門、市民社会などが新たな対策や声明の発表を行っています。

2019年の世界的な取り組みは「世界各地で再生可能エネルギーや環境技術の開発」、大気質改善といった環境保全行動が呼びかけられました。ホスト国である中国は、過去10年間に実施した大気汚染対策を披露し、その実例を他国と共有・連携することで気候変動に対応する姿勢を示しました。

世界環境デーの制定は、1972年の国連総会において、日本の提案があったからこそです。そして日本には、世界環境デーと似た独自の環境についての記念日があります。それが法律で定められた「環境の日」や「環境月間」です。

日本では「環境基本法」によって「環境の日」が定められています。日付は、世界環境デーと同じ6月5日です。環境の日は、すべての国民が環境保全に対しての関心と理解を深め、積極的な活動を行い、意欲を高める日。そのため、国や地方公共団体などでは、この趣旨にふさわしい各種のイベントなどを開催しています。

1973年〜1990年まで、6月5日を初日とした「環境週間」が行われていましたが、環境庁は、1991年から6月の1ヶ月間を「環境月間」と定めました。環境月間にあわせて、環境保護に関連したいろいろなイベントが全国で行われています。

世界環境デーは、世界中の人々が地球規模の環境問題と向き合う日です。1999年から毎年6月5日には、ホスト国が記念式典を開催しています。最初のホスト国は、世界環境デーの制定を提案した日本でした。そのときのテーマは「私たちの地球 私たちの未来 救うのは今!(Our Earth Our Future Just Save it!)」でした。

2022年のテーマである「Only One Earth」“かけがえのない地球”とともに、あらためて環境問題や生態系の危機を認識し、身近なところから環境の保護と改善に関する地球規模の活動に取り組むことが求められています。