印刷ページ
  1. ホーム >
  2. ニュースリリース

ニュースリリース

世界人口推計

2024年07月11日
本日発表された『世界人口推計2024年版:結果の概要』によると、世界の人口は、今後60年間で増加し、2024年の82億人から2080年代半ばには103億人でピークに達する見込みです。その後、今世紀末までに102億人になると推計されています。2100年の世界の人口規模は、10年前の推計より6%、人口にして7億人減少すると見込まれます。

世界人口がピークに達する時期が早まることについてはいくつかの要因があり、中でも人口規模の大きい国々、特に中国において、近年出生率が予測を下回っていることがその一つです。世界全体では、1人の女性が生涯に産む子ども数は、1990年頃と比べて、平均して1人減っています。世界の半分以上の国と地域において、女性1人当たりの平均出生数は、長期的に人口が一定の規模を維持するのに必要な水準(移民の流入がない場合)である2.1を下回っています。現在、中国、イタリア、韓国、スペインを含む世界の約5分の1の国と地域で、女性が生涯に産む子ども数が1.4を下回っています。こうした状況は、しばしば「超低出生」と呼ばれます。

2024年時点で、中国、ドイツ、日本、ロシア連邦を含む63の国と地域では人口がピークに達していて、これらの国と地域の人口は今後30年間に14%減少すると推計されています。また ブラジル、イラン、トルコ、ベトナムを含む48の国と地域では 2025 年から2054年の間に人口がピークに達すると見込まれています。インド、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、米国を含む残りの126の国と地域においては、2054年以降に人口がピークに達すると見込まれています。この最後のグループのうち、アンゴラ、中央アフリカ共和国、コンゴ民主共和国、ニジェール、ソマリアを含む9つの国と地域においては、人口増加のスピードが非常に早く、2024年から2054年の間に人口は倍増すると推計されています。

若年齢での出産は、特に低所得国において引き続き課題となっています。2024年には、全世界の約3.5%にあたる470万人の子どもが、18歳未満の母親から生まれました。このうち約34万人は15歳未満の女児から生まれており、こうした状況は若い母親とその子どもの健康とウェルビーイングに深刻な悪影響を及ぼすこととなっています。

報告書によれば、結婚や第一子出産といった人生の節目となるイベントを早く経験する傾向にある国々において、若者、とくに女子の教育に投資し、これらのイベントを経験する年齢を引き上げることは、女性の健康、教育達成、労働参加に好ましい影響をもたらします。第一子の出産年齢の引き上げは人口増加の抑制に寄与し、誰も取り残されないようにするために必要な投資と取り組みの規模を縮小させることができます。

過去30年間で死亡率は低下し、平均寿命は大幅に延びています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック期間中に一時的に低下したものの、世界の平均寿命は再び上昇し、パンデミック時の70.9歳から2024年には73.3歳に達しました。2050年代後半までに、世界全体の死亡の半数以上が80歳以上の年齢で発生すると見込まれています。世界全体の死亡者に占める80歳以上の割合は、1995年には17%でした。

2070年代後半には、世界の65歳以上の人口は子ども(18歳未満)の数を上回ると予測され、80歳以上の人口は、2030年代半ばにはすでに乳幼児(1歳未満)の数を抜くと予測されています。まだ人口が急増中で、比較的若い国々でも、65歳以上の人口は2054年まで増加すると予想されています。

(国連経済社会局)