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ニュースリリース

世界野生生物の日

2025年03月03日
人類と自然との関係は今、転換点を迎えています。私たちの化石燃料への中毒的な依存と資源の持続不可能な利用が、生態系を崩壊へ、種を絶滅へと追いやりつつある一方で、生物多様性の保護に向けた投資は減少しつつあります。

これは、自然にとってのみならず、その福祉と存亡そのものを健全な生態系に依存している世界中のコミュニティーにとっても、災いのもとです。今こそ別の、より賢明な道を選択すべき時です。

今年の「世界野生生物の日」は、保全のための資金の必要性を強調しています。健全な生態系に投資することは、きれいな空気や水を供給し、気候を調整し、人々の生計を支える上で不可欠です。

そのためには、官民のリソースを動員して野生生物と生息地を保全すること、資金拠出のコミットメントを履行して生物多様性が最も危険にさらされている脆弱な国々を支援すること、債務問題や気候ショックに伴う財政圧力を軽減すること、グリーンボンドやブルーボンドなどの革新的なソリューションを開発すること、国連の多次元脆弱性指数を適用して無理のない資金供給を誘導すること、そして私たちの生態系の防御の最前線にいる先住民や地域コミュニティーが公平な形で資金にアクセスできるようにすることが必要です。

先般採択された「未来のための協定」には、2030年までに世界の生物多様性の喪失を食い止めて逆転させるというコミットメントが改めて盛り込まれています。その実現には資金供給が必要です。共に、自然と人類が繁栄する未来に向けて投資しようではありませんか。

(アントニオ・グテーレス 国連事務総長メッセージより)